複層ガラスに関するQ&A

複層ガラスはどれだけ使われているの?
板硝子協会の調査では、平成12年の新築戸建住宅で、約67%、マンション等の集合住宅で、約20%の住宅に使用されています。
複層ガラスは全ての窓に使うほうが良いのですか?
全ての窓に使うほうが効果的です。
一部屋だけ複層ガラスを使った場合でも省エネルギー効果は得ることができますが、複層ガラスを使っていない部屋への熱の移動が起こり、無駄なエネルギー消費が発生します。できるだけ家全体をすっぽりと断熱材で覆ってしまうこと、つまり開口部の窓を全て複層ガラスにすることをおすすめします。
複層ガラスは寒い地域以外でも必要ですか?
断熱は、必ずしも冬のためだけではありません。夏を涼しく過ごす観点からも開口部の断熱は必要です。温暖地で、夏の日射を遮り冷房負荷を抑えるためには、遮熱タイプの複層ガラスが効果があります。
複層ガラスにもいろいろな種類があるのですか?
複層ガラスには、一般的な複層ガラスの他に、夏の太陽エネルギーを遮断し、熱を室内に入れにくくする「遮熱複層ガラス」と、太陽熱を取り入れながら暖房エネルギーをより外に逃がしにくくする「高断熱複層ガラス」があります。基本はこの3つですが、2枚のガラスの1枚に防犯ガラスや合わせガラスや強化ガラス等を使うことによりさまざまな複層ガラスを作ることができます。
また、既存のサッシをそのままに窓ガラスだけ取り替える場合は、アタッチメント付タイプもあります。
住宅を新築する場合複層ガラスにするとコストはどのくらい上がりますか?
建坪約40坪、窓面積が合計で約30の平均的な一戸建住宅の場合、3ミリ透明ガラスを全て3ミリ+空気層6ミリ+3ミリの複層ガラスに替えても、40万~50万円の建築費増で済みます。(板硝子協会調べ)
海外でも複層ガラスは使われているの?
今まで日本の省エネルギー基準は世界の中で遅れており、欧米各国、またお隣の韓国では既に新築住宅でほぼ100%複層ガラスが使用されています。人口一人あたりの複層ガラスの使用量はドイツが日本の10倍、アメリカ9倍、イギリス8倍、韓国6倍となっています(1996年 板硝子協会調べ)。
複層ガラスにするとどのような効果があるのですか?
複層ガラスは、通常2枚の板ガラスの間に乾燥空気を封入することにより、断熱性を高めたガラスです。暖房や冷房が軽減されますので、省エネルギー効果とCO2排出量削減効果が得られます。また、ガラスの表面が冷えませんので結露しにくく、「冬温かく、夏涼しい」快適な室内環境をつくることができます。また、2枚のガラスの厚さを異なるものにすることで、防音効果も期待できます。
複層ガラスを使うと結露は全く無くなるのですか?
部屋の中の湿度も関係しますので、全く無くなるとはいえませんが、ガラス部分は結露しにくくなります。複層ガラスを使用すると、外のガラス1枚は冷やされても、中空層の断熱効果により、室内の空気にふれているガラスは冷えにくいからです。
寒い日に窓の近くによるとひんやりとするのはどうしてですか?
「冷放射(或いは冷輻射)」といわれる現象です。窓を通して外気の冷たさが室内に伝えられているからです。複層ガラスと断熱サッシを使用するなど、窓の断熱性能を上げることで、窓辺の“ひえひえ感”(冷放射)を軽減させることができます。
窓の結露はどうしてできるのですか?
温かい室内側の空気に含まれる水分が、ガラスの表面で冷やされて水滴となり結露します。複層ガラスにすると、外気温が低い寒い場合でも、室内側ガラス表面の温度は下がりませんので、結露が発生しにくくなります。(※結露防止には、複層ガラスにすると同時に、「台所・浴室の湿気を換気扇で排出する」、「洗濯物を室内に干さない」など、部屋の中の湿度を下げる工夫も必要です。)
結露はアトピーなどの原因になるのですか?
結露は、窓、壁、ジュータンなどのカビ、ダニの発生に関係し、アトピーの原因にもなります。また、カーテンを汚したり、窓枠などを腐らせたりすることにも影響を与えています。
アタッチメント付き複層ガラスをつけるとサッシの部分の結露もなくなるのですか?
変わりありません。ガラス部分は複層になりますので結露しにくくなりますが、サッシ部分は断熱化されませんので、結露に関してはほとんど同じです。
複層ガラスには防音効果があるのですか?
複層ガラスを使うと、結果的にガラスの合計厚さが厚くなっているため防音効果が高まります。たとえば、透明な3ミリのガラスと、同じガラスを使った複層ガラスを比べるとガラスの合計厚さは2倍になります。ただ、2枚のガラスの厚さが同じ複層ガラスは、低音域で2枚のガラスが共振現象を起こし、遮音上の弱点となるので、2枚のガラスを異なる厚みにすることで遮音性を高めることができます。
二重窓と防音性能の高いガラスとではどちらが効果がありますか?
一概に優劣はつけられませんが、窓の厚さを壁並にかなり厚くできる場合、二重窓の方が高い防音性能が得られるといわれています。ただ、サッシが2重になることから、開閉の煩わしさとコストアップを伴います。一方、異厚複層ガラスや合わせガラスと気密性の高いサッシの組合せは一枚のサッシでそれなりの防音効果が得られるという利点があります。
ガラスを替えるだけで防音性能は上がりますか?
窓の防音性には「サッシの気密性」がかなり影響します。音波は、光よりもずっと波長が長いので、障害物の周囲から裏側に回る(回折)性質を持っていますので、隙間や孔から容易に室内に入ってしまいます。ガラスを替えるとともに、音が入りやすいサッシ周辺の隙間を少なくしたサッシ(気密サッシ)を用いることが大切です。
地震のときも安心な複層ガラスはありますか?
合わせガラスや防犯ガラスや強化ガラスを室内側に使った複層ガラスがおすすめです。割れても安全で、さらに結露防止や省エネルギー効果があります。防犯ガラスを使った場合はさらに防犯効果もあります。
複層ガラス・合わせガラス・強化ガラスも切断できるのですか?
複層ガラス、強化ガラスの切断はできません。合わせガラスは、品種によって異なりますが、一般的には切断は困難です。
複層ガラスの片方のガラスが割れました。割れたガラスだけを取り替えることはできますか?(注意:片方のガラスとは、空気層をはさんで向かい合っている室内側と室外側にある2枚のガラスの1枚をさします。)
片方だけ取り替えることはできません。
複層ガラスには寿命がありますか?
複層ガラスの封着部には有機材料が使われている関係から半永久的に使えるものではありません。10年間の保証をつけているメーカーもあります。
複層ガラスとペアガラスはどう違うのですか?
同じものの呼び方が違うだけです。
複層ガラスと合わせガラスは同じものですか?
違います。複層ガラスは2枚のガラスの間に乾燥空気を密封したもので、合わせガラスは2枚のガラスの間に樹脂製の中間膜をはさんだものです。
出窓は複層ガラスにできますか?
できます。
新築のときに複層ガラスにするのと、後から取り替えるのとではどちらが安くなりますか?
新築の時の方が全体としてお安くなります。後で取り替えると、取り替えの費用や手間・工賃が加算されますので、新築時に複層ガラスを使用されることをお勧めします。
新築住宅に、複層ガラスを使用する場合、サッシも複層用になるのですか?
複層用サッシを使うのが一般的です。但し、やむを得ず単板用サッシを使う場合は、複層ガラスにアタッチメントと呼ばれるアダプターをつけて使うこともできます。
ガラスの重さはどれくらいですか?
板ガラスの比重は2.5です。計算式は、板ガラスの重量(kg)=2.5×板ガラス厚さ(mm)×板ガラス面積(㎡)です。ちなみに、5mmの厚さで1m×1m(1㎡)の大きさの板ガラスの重量は、12.5kgとなります。
ガラスに寿命はありますか?
板ガラスそのものに寿命はありません。しかし、板ガラスとその他部材を組み合わせた合わせガラスや複層ガラスには組み合わせた部材の経年劣化が考えられるので、製品としては寿命があるといえるでしょう。
今窓で使っているガラスを再利用して複層ガラスや合わせガラスに取り替えることはできますか?
今入っているガラスを再利用して、複層ガラスや合わせガラスに加工することはできません。
今使っているサッシにはどのくらいの厚さのガラスが入れられるのでしょうか?
1枚ガラスの入っている一般的な住宅用サッシの場合、ガラス嵌め込み部分の広さ(溝幅)が9mm、11mmとなっています。(サッシメーカーにより違う場合もあります。)
一般的には、9mm・11mmの溝幅のサッシには、6.8mmの網入(線入)までの厚さのガラスが嵌め込み用ガラスとして想定されていますが、ガラスとサッシの間に一定の間隔(面クリアランス)が必要となりますので、嵌め込み可能なガラス厚については、街のガラス屋さんにご相談ください。
一戸建て住宅に住んでいますが、サッシはそのままでガラスだけ取り替えることはできますか?
ほとんどの場合可能です。
一般的な住宅用サッシの場合、強化ガラス(厚さ4mmか5mm)や合わせガラス(総厚6mm)や防犯ガラスの一部はそのまま取り替えることができます。ガラスの総厚さが大きくなる場合(複層ガラスや網入りガラスを使った防犯ガラス・合わせガラスなど)はアタッチメントと呼ばれるアダプターを使ってガラスの厚さを調整します。
詳しくはお近くの街のガラス屋さんにご相談ください。
アタッチメント付複層ガラスを使うとアミ戸が使えなくなるって本当ですか?
窓のガラスをアタッチメント付複層ガラスに替える場合、一部アミ戸が使えなくなる場合があります。サッシのメーカーやお使いになられるガラスの種類によって異なりますので詳しくはお近くの街のガラス屋さんにご確認ください。

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