環境問題への取り組みの必要性
(京都議定書~パリ協定)

地球温暖化の進行を防ぐための取り組みはパリ協定として合意され、日本は2030年度に2013年度比26%の温室効果ガス削減を行うことを目標としています。その実現のために建築分野ではエネルギー起源CO2(二酸化炭素)の排出量を約40%削減することが必要とされています。
CO2の排出を抑えるためには、エネルギー使用量を削減することが必要です。住宅の断熱化、特に窓ガラスの断熱化を行うことは地球温暖化を防ぐことにも役立ちます。

健康で快適な暮らしのために
住まいができること

健康と住宅の断熱性能の関係が研究され、断熱性が低い住宅は冬季に暖房費が高くなるだけでなく、そこで生活する人の健康にも影響していることがわかってきました。室温差によるヒートショックや窓の結露によるカビの発生はよく知られていますが、さらに寒い部屋に居ることそのものが循環器系の疾患の発生率を高くすることなども報告されています。快適に暮らせ、健康に長生きできる暖かい住まいにも窓ガラスの断熱化は役立っています。

建築物省エネ法と住宅性能の高度化

建築物省エネ法
建築物の省エネを促進するために2016年に建築物省エネ法が施行されました。住宅は一次エネ基準及び外皮基準の2つをクリアーすることが求められています。
すべての建築物が省エネ基準に適合することを段階的に義務としていくことが検討されています。
ZEH(ゼッチ)(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)
ZEHとは、「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」です。
経済産業省では、「2020年までにハウスメーカー等の建築する注文戸建住宅の過半数でZEHを実現すること」を目標とし、普及に向けた取り組みを行っています。
HEAT20
「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会(HEAT20)」は、住宅の室内環境性能の向上に大きな効果をもたらす「外皮性能(断熱・遮熱・通風・採光など)の向上」の重要性と必要性に着目し、室温、エネルギー性能、コストのバランスを考慮したG1、G2という推奨水準を地域毎に公表しています。ZEHを建てる際の目安になるだけでなく、高性能を追及した家つくりを考える際に大変役立つ情報です。
住宅性能表示制度

住宅を客観的に評価する基準です。新築住宅における性能の表示項目として10分野32項目(必須項目4分野9項目)のモノサシが決められています。この中で省エネルギー対策については、温熱環境(断熱性能)とエネルギー消費量の2つの評価が行われます。

◇温熱環境(断熱性能)

冷暖房に使用するエネルギーの削減のための断熱化等による対策の程度を評価します。
冷暖房の効率を向上させるためには冷暖房機器自体の性能を向上させることも重要ですが、ここでは機器類については評価対象とせず、住宅の構造躯体の断熱・気密措置などの住宅本体の効果について評価の対象としています。建築物省エネ法の省エネ基準に適合した住宅は等級4となります。現在、上位の等級はありません。

◇エネルギー消費量

住宅で使用する電気、灯油、都市ガスなど(二次エネルギー)を石油、石炭、天然ガスなど(一次エネルギー)に換算してどの程度のレベルなのかを評価しています。等級は省エネルギー基準に基づいて決められており、建築物省エネ法の省エネ基準に適合した住宅は等級4となります。エネルギー消費量については上位水準として等級5があります。

省エネ建材等級

2006年の改正省エネ法に基づき窓・ガラス・サッシそれぞれの断熱性の表示制度が始まりました。現在は、ガラスとサッシ一体で窓としての断熱性能を「★」マークの数で表示しています。最高等級の「★★★★」は熱貫流率が2.33[W/㎡・K]以下の窓となります。

エコガラス

『エコガラス』とは?

エコガラス ロゴ私たちの住宅の大きな割合を占める窓ガラスは、光や風だけでなく、室内外の熱も通しています。窓辺が夏暑く、冬寒いのは、窓ガラスが熱の通り道になっているからです。

エコガラスは、窓から出入りする熱を伝えにくくし、冷暖房の効率をアップさせることで、電気をつくる際に発生する二酸化炭素(CO2)の削減に貢献できるガラスです。

『エコガラス』のしくみと働き

◇夏の遮熱

夏の遮熱特殊金属膜が太陽の光を遮断し、外の暑い空気を室内に入れません。窓辺が暑くなるのを防ぐうえ、少ないエネルギーで冷房がよく効きます。

◇冬の断熱

冬の断熱複層ガラスの特長である断熱効果に加えて、特殊金属膜の働きで室内の暖かい空気を外に逃がしません。窓辺が寒くなるのを防ぐうえ、少ないエネルギーで暖房がよく効きます。

このように、『エコガラス』を使用すると冷暖房のための電気の使用量が減るので、発生する二酸化炭素(CO2)が削減されます。
『エコガラス』は、地球温暖化の防止に役立ち、より快適で経済的な暮らしをもたらすガラスなのです。

※ご注意
『エコガラス』は、国内の建築用板ガラス製造メーカー3社(旭硝子・日本板硝子・セントラル硝子)が、基準を満たす自社製品に共通して使用する呼称です。『エコガラス』と同等の性能をもつガラス全てを表すものではありません。

※エコガラスについて詳しくはhttp://ecoglass.jp/をご覧ください

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