二酸化炭素(CO2)を削減する
「複層ガラス」の効果

地球温暖化の防止を図るため、1997年12月京都において「気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)」が開催され、先進国の2000年以降の温室効果ガスの削減目標やそのための政策・措置等を定めた「京都議定書」が採択されました。
板硝子協会として、「京都議定書」の骨子の一つである温室効果ガスの削減目標を受け、最近伸びが著しい民生部門の二酸化炭素(CO2)抑制に向け、政府やマスコミに対して住宅・建築物に関する省エネルギーに役立つ複層ガラスの提案を行っています。

環境保全が地球規模で叫ばれるようになり、省エネルギーによるCO2排出量の削減によって地球温暖化の防止が急務になっています。エネルギー消費の現状を部門別に見てみると、製造部門においてはこれまでも相当な省エネルギー努力が図られており、既に省エネルギーの余地は少ないと思われます。
一方、住宅・ビル等で消費される民生用エネルギー及び運輸部門における伸びが最近目立っていますが、運輸部門については既に自動車の燃費向上に対する研究及びその実用化が進んでいる状況です。そこで、板硝子協会として将来に向けてエネルギー消費量を抑え、かつ地球温暖化防止策として、開口部を含む住宅の断熱化が有効であるか否かを調査研究しました。

欧米各国との断熱基準比較

遅れている日本の断熱基準

欧米各国の断熱基準は図の「世界各国の断熱基準比較」のとおりですが、各国の断熱化の動きは早く、ドイツでは1976年に「エネルギー保全法」が制定され、これに基づいて1977年に「熱保護規制」が施行されている。これは新築の窓については全て複層ガラスが義務づけられています。
アメリカにおいても、各州で多少の差はありますが、ワシントン州やミネソタの北部から南部のフロリダまで、厳しい省エネルギー基準を定めています。なお、東京都とほぼ同じ緯度にあるカリフォルニア州は最も厳しい基準となっています。
また、韓国についても、第1次石油危機直後の1975年に、熱損失防止を柱に建築法を改正し、断熱基準を強化しています。このように各国とも法律の制定によって断熱基準の強化ならびに開口部の複層ガラスの義務づけを実施してます。
日本では、1980年に「旧省エネルギー基準」、1992年に「新省エネルギー基準」、1999年に「次世代省エネルギー基準」が告示されましたが、これらの断熱基準は欧米と異なり強制力がないことから、その義務化が急務となっています。
このような状況の中で複層ガラスの普及状況を見ると、人口一人当たりの複層ガラスの使用量は、ドイツが日本の10倍、アメリカ9倍、イギリス8倍、韓国6倍となっています。日本は世界各国の普及状況から大変遅れているのが現状です。

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