英国と京都議定書

現在、省エネ、広くは環境先進国の1つに数えられる英国では、やはり複層ガラスの普及率も高めです。
京都議定書の条件下で、英国は2010年までに温室効果ガスを12.5%削減するという目標が与えられていました。現在、英国はこの目標を順調に達成しており、2003年には、1990年のレベルと比較して、温室ガス全体は14%、二酸化炭素(CO2)では7%の削減を行ったと発表しています。
しかし、英国政府は温室効果ガスの削減量を12.5%で止めようとは考えておらず、日本に求められている削減量の3倍以上にあたる23%、二酸化炭素(CO2)は20%の削減を2010年までに達成する意向を表明しています。さらに、英国エネルギー白書で、2050年までに二酸化炭素(CO2)を60%削減する目標を掲げています。

英国のこの熱心な目標設定の理由は、議定書に署名した当時よりもさらに温暖化が進んでいるということ。また、国は経済的繁栄と環境保護を両立できるという先導的な考えに起因しています。

さらなる二酸化炭素(CO2)排出削減に向けて

すでに目標を達してる英国ですが、よりよい削減手段を模索しています。現在、二酸化炭素(CO2)排出削減計画として「発電」、「企業」、「家庭」、「輸送」、「農業」、「公共」という6つの主要分野に焦点をあて、さらに削減を図ろうとしています。
例えば、「発電」では日本でも注目されている太陽の光や風の力、水の力などで発電し、二酸化炭素(CO2)を出さない環境に優しいエネルギー「再生可能エネルギー」を利用し、2010年までに英国全土で使う電力をこれに移行しようとしています。

Are You Doing Your Bit?

また、省エネ、広くは環境保全に力を入れていることから環境先進国といわれる英国は、大々的に環境保全のキャンペーンを展開しています。
政府のバックアップにより「Are You Doing Your Bit?(やるべきことをやっていますか?)キャンペーン」をすすめており、著名なコメディアンやDJ、ボクサーを起用するなどして、環境保全意識を国民に呼び掛けています。

教育の現場から

英国では、子ども向け環境教育を専門に行うNPO(非営利団体)が、毎年約100校で年300回も無料で出張授業を行う例が人気を呼んでいます。この人気の秘密は、授業の進め方にあります。一方的に講議をするのではなく、質問をして子どもの興味を引き、そして考えさせる。これが人気に繋がっています。
子どもの頃から環境を意識し、考えることを習慣づけることは、長い目で見た時に環境保全に大変有効です。
また、こういったNPOが無料で授業を行うことができる背景には、企業の寄付があり、地域社会が一体となって、環境問題に取り組む姿勢がうかがえます。日本でも2002年4月から小中高校で始まった「総合的な学習の時間」などの参考になるのではないでしょうか?

グリーンコンシューマーになろう!

グリーンコンシューマーとは、環境に負荷の少なくなるように買い物の選択をする消費者の事を言います。日本では、「グリーン購入」として耳にしたことがあるかもしれません。
1988年に英国で発行された「ザ・グリーンコンシューマー・ガイド」(ジョン・エルキントン、ジュリア・ヘイルズ共著)が、この運動を世界的に広げるきっかけになったといわれています。アメリカ、カナダ、オーストラリア、北欧4ヶ国、ドイツ、オランダ、イタリア、スペイン等で続々出版され、世界的ベストセラーとなりました。
興味深いことに、英国ではこの本の出版により、業界1位と2位のスーパーマーケットの売り上げが入れ替わりました。これは、ガイドを見た消費者がお店を選んだ結果です。
小さな一歩ですが、まずは「意識する」そして「実行する」ことが大切なことです。

グリーン購入ネットワーク

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