命を守るために

大地震などの災害から身を守るには、各家庭での防災の備えが欠かせません。そこで必要になってくるのが、住民が協力し合って大きな災害に向かう地域の自主防災活動。いざという時に一人ひとりが団結して発揮する行動力こそ、一刻を争う人命救助に大きく貢献するものです。
7年前の阪神・淡路大震災では、6,400人を超える死亡者が発生し、その9割近くが倒壊家屋の下敷きになった人々でした。一方、その数十倍ともいわれる多数の人々が、ケガを負いながらも倒壊物の下から救出されています。家族や近隣住民が協力し、バールやのこぎり、車のジャッキなど身近にある物を使って閉じこめられた人々を助け出したのです。

大地震の発生直後は、広範囲にわたっての建物の倒壊、火災の発生、道路、水道・消火設備の損壊などが起きるため、すべての現場に警察や消防が駆けつけることはできません。そこで求められるのが、「自らの地域を自ら守る」心構えと組織力です。いざという時、とっさに必要なのは自分の身を守ること。そして危険を免れた住民には、次の瞬間から重要な役割が期待されます。近隣の出火防止、初期消火、被災者の救出・看護にあたることなどです。地域の被害を最小限に食い止められるかどうかは、住民たちが協力して速やかな防災活動をおこなえるか否かにかかっているのです。

家庭での地震対策

最も身近な自主防災組織は家庭です。大地震発生の際にも家族があわてず行動できるように、あらかじめ話し合いの場を持ちましょう。

  • 家屋の補強、家具の転倒・落下防止策
  • 防災グッズなどの準備と置き場所
  • 避難経路と避難場所
  • 安全確保と火災防止の手順
  • 幼児や高齢者の避難補助の役割分担
  • 緊急時の連絡方法

防災グッズを備えておきましょう

避難生活に最低限必要な物をリュックサックなどの非常持ち出しのための袋に入れて、すぐに持ち出せる場所に備えておきましょう。

あると便利な防災グッズ

  • 救急キット・・・内容に過不足がない市販のセット
  • 飲料水(2~3日分)・・・ペットボトルのミネラルウォーター。1年ごとに交換を。
  • 食料(2~3日分)・・・カロリー源、満腹感があり軽くて小さいもの。チョコレートや健康補助食品など。
  • 携帯ラジオ・・・AMとFMが両方受信できるタイプのもの。
  • その他・・・モバイルバッテリー、簡易トイレ、ホイッスル、防寒具・アルミブランケット、靴・スリッパ、カセットコンロ、懐中電灯、ヘルメット、軍手、ライター、ロウソク、ナイフ、ガムテープ、簡単な文房具、トイレットペーパーとウェットティッシュ、生理用品(乳幼児がいる家庭は、ミルク、ほ乳びん、紙おむつなど)

消火器などの備え

万一の出火に備えて、消火器や消火用バケツなどはすぐに使用できる場所に置く。風呂の水はいつもためておく。火災が発生したときに確実に消火できるよう、普段から防災訓練などに参加し、消火器の使い方に慣れておきましょう。また、夜間に避難するための懐中電灯や、床に飛散したガラスでケガをしないように厚手のスリッパや運動靴を身近な場所に用意しておきましょう。

地震発生!その時のポイント

  1. グラッときたらまず身の安全を確保
    わが身と家族の安全確保のために、テーブルなどの下に身をふせる。
    テーブルなどが見当たらない場合は、頭を座布団などで保護をする。
  2. すぐ火の始末、すばやく消火
    普段から小さな地震でも火を消す習慣をつけておく。初期消火が肝心です。
  3. 慌てて屋外に飛び出さない
    門やブロック塀、自動販売機などが転倒する恐れがあるので、これらのそばには近寄らない。
  4. 窓や扉を開けて出口を確保
    非常の際の脱出方法を日頃から考えておき、いざという時は窓や扉を必ず開け、出口を確保しましょう。
  5. 家具から離れ、落下物に注意する
  6. 室内のガラスの破片に注意する
  7. 火が出たらすぐ消火
  8. 協力し合って救出・看護
  9. 確かめ合おう我が家の安全、隣の安否
  10. 避難の前に安全確認、電気(※ブレーカーを落とす)・ガス
  11. 正しい情報を聞こう
    身の危険から、無責任なうわさやデマなどによって行動をしがちになります。
    ラジオや防災機関からの正しい情報に従って行動してください。

近所の人とのコミュニケーションが
防災力を高める

最近は「隣人の顔を知らない」人が少なくありません。都市化や集合住宅の増加で、隣近所の交流が希薄になる傾向があります。災害時には生きた情報が人命救助や避難補助に大きく役立ちます。また、災害時は地域の住民の連帯が何よりも心強いものです。地域で防災訓練をおこなうところもあるので積極的に参加してみてください。

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